【Windows 10】 Windows Update 自動更新は回避不可!? エディション選択は慎重に
Windows 10 はサービスになる (Windows 10 as a Service) といわれています。
その意味するところには、 「Windows Update で新機能をどんどん追加していくぜ!」 ってことも含まれています。
新機能が自動的にインストールされるのを歓迎する人もいるでしょうし、 「ちょっと待ってくれ!」 と困る人もいるでしょう。
Windows Insider Program に参加してプレビュー版の Windows 10 を使っている人は、 Windows Update を回避する UI が無くなっているのをご存知だと思います。 Windows 10 では、 どんどん新機能がインストールされてしまうのを止めることはできないのでしょうか?
実は、 Windows 10 の Windows Update には 4 通りのパターン (branch) があります。
以下 4 枚の画像は、Ignite 2015 のセッション BRK2322 "Windows as a Service: What Does It Mean for Your Business?" の資料より。
Windows Insider Preview Branch (WIPB)
・新機能もすぐにアップデート
・セキュリティ アップデートは通常通り
Current Branch (CB)
・新機能は4ヶ月以内
・セキュリティ アップデートは通常通り
Current Branch for Business (CBB)
・新機能のアップデートを一定期間遅らせることができる (4ヶ月?) *3
・セキュリティ アップデートは通常通り
※ *3[2015/7/19 追記] 新機能のアップデートを一定期間遅らせる機能について、 公式に MS のサイトに掲載されていました。 末尾に設定方法を追記。
Long Term Servicing Branch (LTSB)
・WSUS でアップデートを制御できる
・セキュリティ アップデートは通常通り (ただし 10 年間)
で、 これらが適用されるエディションは、次の通りです。
Branch | Windows 10 のエディション |
---|---|
WIPB (人柱モードw) | (どれでも) |
CB (延期不可) | Home, Mobile, Pro, Enterprise, Education, Mobile Enterprise |
CBB (延期可能) | Pro, Enterprise, Education, Mobile Enterprise |
LTSB (制御可能) | Enterprise, |
※ Mobile / Mobile Enterprise については推定。 ただし、 これまでのようにメーカー / キャリアの判断でアップデートを流すのではなく、 Micorosoft から直接アップデートが配信されるようになる。
※ IoT / Xbox / Surface Hub / HoloLens については不明
以上、 参考:
Piecing together the Windows as a Service puzzle for Windows 10 | ZDNet
Microsoft says it's taking over updates for Windows 10 Mobile devices | ZDNet
※
*1[2015/7/6 追記] 7/2に公開された "Compare Windows 10 Editions" のページでは、 LTSB は Enterprise のみとなっており、 Education が消えている。 上に載せた Ignite 時の資料の記述とは異なっている。
※ *2[2015/7/14 追記] ZDNet の記事 (2015/7/9) によれば、 リセラー向けの資料にも Education には LTSB の記載がない (末尾に画像を追加)。 LTSB は Enterprise のみと判断してよさそうだ。
上の表から、 Windows Update で新機能がインストールされるのを延期するには Pro エディション以上が必要だと分かります。 新機能の追加を制御したければ、 Enterprise エディションが必要になります (さらに、 資料には WSUS で制御すると書いてある)。
新機能は自動的にインストールされて欲しいという人は、 どのエディションでも OK。 その他の機能を見比べて問題なければ Home エディションでも良いでしょう。
新機能の導入はちょっと待ちたいと思う人は、Pro エディション以上を選択することになります。
※ Mobile Enterprise を個人で導入できるのかは不明
今まで Windows Update を選択的に適用してきた人は、 どうやら Windows 10 では Enterprise エディション + WSUS という環境を構築しないといけないようです。
そして、 新機能を早く試したいという人柱モードの人は、 どのエディションであれ Windows Insider Preview プログラムに参加すればよいです。
これは、開発者にとっても悩ましいところで。
一般ユーザー向けに開発してるなら、 ユーザーは CB か CBB に居ると想定していいので、 開発環境は CBB (すなわち Pro エディション) で 1 サイクル更新を遅らせておけば良さそうです。
ビジネス向けの開発は、 顧客の Windows 10 のビルドに合わせるために、 開発環境として Enterprise エディションを (少なくとも 1 台は) 保有する必要がありそうです (WSUS も!)。
デスクトップ向け LTSB の対象エディションについて [2015/7/14 追記]
Compare Windows 10 Editions" のページに記載された比較表。 LTSB は Enterprise エディションのみ。
ZDNet の記事 (2015/7/9) に掲載された、 リセラー向けの資料。 こちらも、 LTSB は Enterprise エディションのみ。
「アップグレードを延期する」 (Defer upgrades) 機能について [2015/7/19 追記]
Pro 版以上では、 この機能を有効にすることで CBB に入り、 新機能のアップデートが数ヶ月間インストールされなくなります。
設定アプリの [更新とセキュリティ] - [Windows Update] - [詳細オプション] に、 [アップグレードを延期する] チェックボックスがあります (画像はビルド 10240 のもの)。 英語版では [Defer upgrades] です。
このチェックボックスの [詳細情報] リンクを使うと、 MS サイトの "Defer upgrades in Windows 10" ページに辿り着けます (2015/7/19 現在、 未翻訳)。
Defer upgrades について、 次のように記載されています。 まさに CBB のことですね。
Some Windows 10 editions let you defer upgrades to your PC.
When you defer upgrades, new Windows features won’t be downloaded or installed for several months.
Deferring upgrades doesn’t affect security updates.
Note that deferring upgrades will prevent you from getting the latest Windows features as soon as they’re available.
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