[本] アジャイルサムライ ~ アジャイルマインドの伝道書
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アジャイルサムライ −達人開発者への道−
Jonathan Rasmusson (著)
2011/7/16
ISBN-13: 978-4274068560
この本には、 アジャイル開発プロセスの全ては書いてありません。 誰のために、 何のために、 どうしてアジャイルするのかを伝える本です。 もちろん、 「どうする」 の部分についても、 明日からの航路を自信を持って決められる程度にはざっくりとプラクティスの紹介がされていますが、 それはこの本の目的ではありません。
また、 この本は先に読み終えた何人もの方から、 読みやすいと聞かされていましたが、 たしかにそうです。 理詰めではなく、 "Feeling, don't think."(考えるな、感じるんだ!) の世界の本に思えます。 が、 しかしそう見せかけていて、 実は、 なぜそうすべきかを考えさせる本になっています。
第I部第1章の冒頭、 つまり本編の一番最初の一文
お客さんにとって価値ある成果を毎週必ず届けたいと思ったら、どうすればいいだろう?
第V部第15章の末尾、 つまり本編の一番最後の文章
・ 毎週、 価値ある成果を届けられているか?
・ たゆまぬ改善のための努力を惜しまず続けているか?
この2つの問いへの答えが「イエス」なら、 君はアジャイルだ。
なんのためにアジャイルソフトウェア開発をするのか、 という一文で始まり、 そのために改善し続けるのがアジャイルな開発者だ、 と宣言して締めくくられます。 それはつまり、 アジャイルソフトウェア開発の精神を伝えようとする本だということでしょう。 いわばアジャイルマインドの伝道書です。 その間に挟まれた本編は、 大事なことではありますが、 しかし枝葉です。 本質を踏み外さない限り、 取捨選択したり改善したりと自由に変えられる部分です。 この本を読む人には、 各章をこなす毎に冒頭と末尾の文を読み返してもらって、 なぜそうするのかを考えてほしいと思います。
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