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2010年4月の7件の記事

2010年4月28日 (水)

Twitter の BASIC 認証廃止で、 ケータイ向けサービスはどうなる?

6月一杯 ( つまり、 あと 2ヶ月ちょっと ) で、 Twitter API を利用するときの認証方式のうち、 BASIC 認証が廃止されます。

ITmedia エンタープライズ: Twitter の BASIC 認証廃止、 企業ユーザーが知っておくべきこと
2010/04/28
西尾泰三

BASIC 認証は実装が簡単な一方で、 セキュリティ面で不安がある。 Twitter API の利用についていえば、 Twitter と連携した外部サービスを利用するために、 Twitter のユーザー名とパスワードを第三者に渡してしまうことが特に問題となる。 これはつまり、 ユーザーが Twitter で行える全権限を第三者に与えてしまっているのに等しい。 これを改善するものとして、 ユーザー名とパスワードとはひも付かないトークンベースで、 あらかじめ決められた API のアクセスのみを許可しようというのが「OAuth 認証」だ。

上の説明から、 BASIC 認証廃止後は OAuth 認証を使うのが望ましいことだと分かると思います。

xAuth は OAuth 認証の仕組みから Request Token の取得と認証を省略したもので、 Web ブラウザで認証画面を開く必要はない。 デスクトップアプリケーションとの親和性が高い認証方式といえるが、 SSL での接続が必須である点や、 利用に関して、 事前に Twitter による審査を受ける必要がある。

 丹羽氏も、「xAuth は (OAuth の) 例外的な対応というのが正しい見方」 としており、 特殊な用途に対応するための認証が xAuth であるという見解を示している。

記事には明記されていませんが、 Request Token の取得と認証を省略したということは、 xAuth では Twitter のユーザー名とパスワードを第三者 ( 利用しているサービスやアプリケーション ) に渡してしまうことになる、 ということです。 だからこそ、 米 Twitter のエンジニアである丹羽善将氏 (@niw) が 「例外的な対応」 と言うのでしょう。

ところが、 日本の携帯電話の大部分は OAuth を利用できないのです。

「Web 標準に準拠していない日本の携帯電話の特殊性は悩ましい。 例えば、 (日本の携帯電話で今なお多い) Cookie 非対応のブラウザだとセッションが維持できないので OAuth 認証がそのままでは使えない。 さらにいえば、 認証画面をレンダリングすることすらままならないので、 実質的には使えない。 もちろんこの問題は認識していて、 どこかのタイミングで対応したいが、 標準からかけ離れているので悩ましいところだ。 当面の間、 携帯電話のアプリケーションは xAuth を利用してほしい」 (丹羽氏)

xAuth を採用しているサイトには、 Twitter のユーザー名/パスワードを送信することになるので、 私は、 よほど信用しているサイト以外では御免こうむりたいと思います。 同じように考える人が多ければ、 OAuth が使えるケータイへの買い替えが進むでしょうが… はたして?

OAuth の仕掛けを利用してダマす Mobster World スパムの被害は、 いまだに収まっていません。 ( その記事へのアクセス数が、 このサイト内でずっとトップを維持し続けています。 ) OAuth でさえ悪用されてしまうというのに、 ユーザー名/パスワードを渡してしまう xAuth では…。
もしも今後、 xAuth を採用するサービスが急増したらどうなるか? 私は、 かなり心配しています。 PC 向けのサービスには、 実装を面倒がらずにぜひ OAuth で実装してもらいたいと思います。 ( OAuth が使えない携帯利用者は危険なことになりますが、 しかたありません。 BASIC 認証のままでも同じことですから。 )

ケータイ向けサービスは…
A) OAuth 対応をし、 OAuth を利用できない 「非標準」 携帯は切り捨てられる。 iPhone や Windows Mobile Phone などがバカ売れする。
B) xAuth 対応をし、 「非標準」 携帯は延命。 ただし、 ユーザー名/パスワードを第三者に渡してしまう問題は残る。 ( 問題が PC 側にまで拡散するかもしれない )

私としては A が望ましいと思うものの、 実際は大多数のサービスが B に行っちゃうんでしょうねぇ。

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2010年4月22日 (木)

電子出版大国、 日本!

しかし、 米国が急追してきているので、 今年は抜かれるかもしれません。

えっ、 と思われたかたも居るでしょう。 アメリカでは Amazon の Kindle や、 Apple の iPad が好調で電子書籍もたくさん売れていて、 その iPad が日本にも投入される今年に、 ようやく日本の市場も立ち上がるかどうかくらいなんじゃないの、 と。
まずは、 日本の電子出版の市場規模の推移を見てください。

インプレス R&D: 【調査発表】対前年度比約131%に拡大、うちケータイが86% 電子書籍の市場規模 464億円(7/8)
2009年7月8日

日本の 2008年度の電子書籍市場規模は 464億円

20100422_epub01

日本の 2008年度の電子書籍市場規模は 464億円と推計されます。 2007年度の 355億円と比較して 131% となり、 2006年度から 2007年度の 195% と比較すると伸びは鈍化しているものの、 順調に成長しているといえます。 2006年度以降、 市場を牽引しているのはケータイ向け電子書籍市場であり、 2008年度は 402億円と、 電子書籍市場全体の 86% を占めています。

2008年度で 464億円。 2009年度の統計はまだ出ていないようですが、 500億円は堅いと思っていいでしょう。 また、 2006年度はグラフから 182億円です。

では、 米国は?

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Microsoft の電子書籍への取り組みはどうなっているか?

Amazon に Google に Apple …続々と電子書籍市場の開拓に乗り出してくるライバル会社と比べて、 Microsoft はどうなのか?

20100422_microsoftreader01 じつは、 Microsoft も 10年以上前から、 電子書籍を手掛けているのです。 しかしながら、 言ってしまえば 「鳴かず飛ばず」。

現時点では、 "Microsoft Reader" ( 左のキャプチャ ) というポータルサイトが運営されていて、 そこからリーダーソフト "Microsoft Reader" ( …サイトと同名とはややこしい! ) の入手と、 電子書籍のカタログを見ることができます。 なお、 電子書籍の販売は Microsoft は手掛けていないようで、 カタログの各タイトルから複数の販売サイトへのリンクが置かれています。

リーダーは、 通常の Windows 用、 タブレット PC & UMPC 用、 それに Windows モバイル用と、 それぞれ用意されています。 Windows Phone に Microsoft Reader ソフトをインストールすれば、 iPhone のようにどこにいても電子書籍をダウンロードして読むことができるわけです。

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2010年4月20日 (火)

[ニュース] 鉄より強いプラスチックを開発 広島大グループ

これは誤解されそうなニュース (書いた記者が誤解してるかも) なので、 補足しておきます。 まずは、 ニュース記事。

47NEWS: 鉄より強いプラスチックを開発 広島大グループ

 鉄鋼の2~5倍の強度を持つプラスチックのシートを開発したと、広島大の彦坂正道特任教授(高分子物理学)らのグループが19日、発表した。

 厚さ10分の数ミリ。透明で成形しやすく、自動車の車体やガラスの代用品などとして応用が見込める。通常のプラスチックとほぼ同じ値段ででき、不純物がないためリサイクルしやすい利点もあり、新素材として普及を目指す。

 従来のポリプロピレンより、引っ張り強度が7倍以上の230メガパスカルに増していた。この強度は同じ重さの鉄鋼の2~5倍という。

見出しから、 「おっ、 いままで鉄より強いプラスチックは無かったんだな。 それがいきなり、 鉄より強いプラスチックが出来たんだ!」 と思ってしまうかもしれませんが、 それは二重に誤解しています。 また、 この新材料の価値は、 そこではありません。

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2010年4月16日 (金)

[電子書籍] Windows 用の青空文庫ビューア、 3本を試してみる。

Windows 8 用の青空文庫ビューアについては、 こちら ⇒ [電子書籍] Windows 8 用の青空文庫ビューア (2012/12/23)

Apple の iPad を機に、 日本にも電子書籍ブームが上陸しようとしています。 秋には Google Editions も日本で提供されるそうですし、 すでに Amazon は Windows で使える Kindle for PC を提供しています。

しばらくの間は横書きだけに限定されてしまうでしょうが、 技術系の本を読むには問題ありません。 縦書きも、 EPUB 日本語要求仕様案 が順調に進展すれば、 次の EPUB 規格の策定完了を待つことなく、 「EPUB 日本語仕様準拠」 という形で早ければ 1年も掛からずに利用できるようになるでしょう。 小説などは縦書きで読まないと 「味わい」 が変わってしまいますから、 日本では絶対に必要な機能です。
※ EPUB を採用しているのは、 iPad と Google Editions です。 Kindle は独自フォーマット。

さて、 それまでは縦書きで電子小説を読むことは出来ないのでしょうか?
いいえ。 じつはすでに提供されています。 商用のものもありますが、 有名なのは著作権が切れた作品を電子データ化してくれている 「青空文庫」 です。

青空文庫は XHTML と 独自フォーマット で提供されています。
青空文庫を読むためのビューアソフトは、 この独自フォーマットのタグを解釈するものが多いようです。
※ 技術的には、 これらのビューアの青空文庫タグ解析部分を、 EPUB 日本語仕様対応に書き換えることで、 「EPUB 日本語ビューア」 にるわけです。 (完全にとはいかないでしょうけど。)

iPad や Google Edtions 向けの電子書籍販売サービスが、 縦書き対応の Windows 向けサービスを始めてくれるの待つ間に、 青空文庫だけでも楽しんでおきませんか?

そこで、 フリーで使える縦書き対応の青空文庫ビューアを 3つ試してみました。

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2010年4月 7日 (水)

[.NET] .NET Framework 3.5 のサポートは、来年4月まで

…って、 「1年以内に 4 にバージョンアップ対応しないとイカンのか~っ!?」 って思われそうですけど、 ご安心を。 3.5 SP1 のサポートはまだまだ続きます。 でも、 2.0 のメインストリームサポートは、 本当に来年 4月で終わっちゃいますから、 ご注意を。

・ .NET Framework デベロッパー センター: .NET Framework のサポート概要 ( 更新日: 2009 年 11 月 30 日 )
・ マイクロソフト サポートオンライン:  Microsoft .NET Framework のサポート ライフサイクル ポリシー ( 日付: 2010 年 3 月 25 日 )

上のふたつの文書に書いてあることをまとめると、 次のようになります。

◆ 3.5SP1 からは、 インストールした Windows のライフサイクルに一致させる。 たとえば、 Window Vista にインストールした .NET Framework 3.5SP1 のサポート期間は、 Vista と同じになる。

◆ 3.5SP1 以前のサポート期間は、 次の通り。

Ver.メインストリーム延長
1.0( すでに終了 )
1.1( すでに終了 ) 2013/10/8
2.02011/4/12 2016/4/12
3.0 2011/4/12
3.5

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2010年4月 6日 (火)

EPUB 日本語要求仕様案、公開。 Google/Sony と Apple は、 どう動く?

日本電子出版協会 (JEPA) が、 EPUB 日本語要求仕様案を 4月 1日付けで公開しました。 EPUB ( ePub とも表記 ) は、 すでに広く使われているフォーマットのひとつなので、 この仕様に沿ったハードウェア・ソフトウェアが早い時期に登場することが期待されます。
※ JEPA は、 先月ようやく立ち上がった日本電子書籍出版社協会 ( EBPAJ ) とは違う組織です。

2010/04/01 日本電子出版協会、EPUB日本語要求仕様案を策定

Adobe、Google、Apple、SONY、Barnes and Noble などが採用し、電子書籍データ・フォーマットの実質的な世界標準となりつつある、 EPUB について、 日本語要求仕様案を策定し、 本日、 一般に公開した。

JEPA は昨年11月、 協会内に EPUB 研究会を組織し、 仕様を策定した米国の電子書籍標準化団体 IDPF (International Digital Publishing Forum) に加盟、 欧米の策定チームと仕様の調整を行ってきた。 要求仕様案には、 縦書き、 ルビ、 禁則処理などが含まれており、 テキスト系の書籍について、 一定の日本語組版を実現させている。

世界の電子書籍のフォーマットは、 現在のところ Amazon 対 EPUB 連合という様相を呈しています。 ( 日本のマイナーな独自フォーマットなぞ、 歯牙にも掛かりません。 )

  • Amazon 陣営
    現行 Kindle の独自フォーマット AZW ( 将来は Open Book Alliance のオープン規格へ? )。 現在 40万冊以上を提供しているとされている。

  • EPUB 陣営
    Google/Sony,  Apple (iBooks) … つまり、 Sony の電子ブックリーダーや Apple の iPad など。
    Google Books で 100万冊以上が提供されていると言われている。

※ 参考:
TechCrunch: Sony と Google がオープン電子ブックで Kindle に対抗 ( 2009/8/27 )
日経トレンディネット: 「活字のKindle」vs「マンガのiPad」――電子書籍端末の勝者は? ( 2010/2/2 )
日経 PC online: 立ち上がる国内電 子書籍市場 ( 2010/4/5)

今でも、 EPUB フォーマットならば、 日本語の文章も iPad などでそのまま表示できます。 ただし横書きに表示されてしまいますし、 ルビや割注などは、 もしEPUB 日本語要求仕様に沿ったフォーマットであったとしても、 表示されません。
しかし、 EPUB 日本語要求仕様に沿ったデータと、 例えば iPad 用表示ソフトがあればどうでしょう?
実際、 青空文庫のデータを EPUB へ変換するソフトウェアは、すでに存在します。 iPad で縦書き表示を実現するソフトの開発も進んでいます。 EPUB 日本語要求仕様のデータを縦書き表示するためのハードルは、 それほど高くないといえるでしょう。

※ 参考:
日経 PC online: 青空文庫、自費出版・同人誌向けに日本語組版用タグなど公開 ( 2010/4/6 )
builder by ZDNet Japan: iPadビジネスを先取り!EPUB関連フリーソフト5選 ( 2010/2/18, 青空文庫のデータを EPUB に変換するソフト Text2ePub に言及 )
builder by ZDNet Japan: unakami: iBooksが待ちきれず「EPUB」を自作する ( 2010/1/29, 日本語の EPUB データを iPhone で表示する実験 )
nagisaworks.: 祝iPad発売!(in US…) ( 2010/4/4,  i文庫の開発者のブログ )
asahi.com: グーグル電子書籍、日本でも秋ごろ販売へ ( 2010/2/24 )

Google/Sony と Apple がどれだけ後押しをしてくれるかどうかで変わってくるとは思いますが、 Google や青空文庫が持っている日本語コンテンツが、 この EPUB 日本語要求仕様で提供されれば、 iPad などで大量に消費されるようになるでしょう。 この秋と言われる、 グーグル電子書籍の上陸も控えています ( 上記ニュース参照 )。 そうなると、 Sony の電子ブックリーダーも日本上陸を果たすでしょう。 現在 EPUB 対応になっている Sony のリーダーが、 EPUB 日本語要求仕様に対応してくる可能性は高いと思います。 また、 オープンフォーマットですから、 PC 用のリーダーソフトが出てくるのも時間の問題でしょう。
Amazon が日本対応に手間取ったりすると、 日本では EPUB 一色になってしまうかも知れませんね。

※ 余談ですが、 デジタル録音図書の国際標準規格である DAISY 再生システムをEPUB にも対応させるプランが進行しています。 ( カレントアウェアネス・ポータル: 「デイジーの活用による情報アクセスの保障と促進」<報告>, 2010/3/10 )
※ さらにさらに余談ですが、 MS Word から DAISY を書き出すためのアドインの提供が始まりました。 ( DAISYコンソーシアム、日本障害者リハビリテーション協会、マイクロソフト 電子書籍のバリアフリー化に向けた取り組みで協力, 2010/4/6 )

 

( 2010/4/7 追記 )
上では大きな動きの部分だけを書き飛ばしたので、 いろいろと詳細な話が抜けています。 やっぱり気になるので、 補足。
・ 「要求仕様」 であって 「仕様」 ではない
EPUB 日本語要求仕様案を見れば分かることですが、 「こういう仕様を決めないといけないよね」 という要求事項だけが書かれています (しかも、 まだ 「案」 (draft) です)。 つまり、 これだけでは、 まだ日本語表示用のソフトウェアを作れないということです。
W3C の要求を参照している
EPUB 日本語要求仕様案は、 W3C の 「日本語組版処理の要件」 ( Requirements for Japanese Text Layout ) を主に参照しています。 サブセットと言ってしまってもいいかもしれません。 そして、 日本語組版処理の要件を満たす仕様は、 ある程度 CSS3 に盛り込まれるようです。 EPUB 日本語要求仕様案を満たす 「EPUB 日本語組版拡張仕様」 の姿は見えていると言ってもよいでしょう。
まだ不完全な要求仕様である
EPUB 日本語要求仕様案の冒頭に、 雑誌やパンフレットを除いたいわゆる電子書籍のためのものである、 と断わってありますが、 電子書籍に限っても不足している部分があります ( 最初の working draft としては、 いわば当然のことではありますし、 そもそも "Minimal Requirements" という表題です )。 たとえば、 外字の扱いがまだ入っていません。 ( ⇒  XMLと文字メーリングリスト:  「[XML MOJI 01824] 電子書籍フォーマットEPUBにおける外字への要求事項」 2010/03/27 from @muratamakoto )
公式には IDPF の EPUB 仕様に組み込む
EPUB 日本語要求仕様案に基づく 「日本語組版拡張仕様」 は、 将来の EPUB 仕様に組み込むことになります。 じつは、 次期 EPUB へのコメント募集が 4/6 から始まっています ( その EPUB 2.1 Working Group Charter の課題の 2つめで、 EPUB 日本語要求仕様案が参照されています )。 @muratamakoto は 「まとめて普通にやれば2015年でしょね。」 と述べています。
デファクトスタンダードはきっと早い
じゃぁ、 実際にモノが出てくるまで 5年以上も掛かるのか? そうはならないと思います。 日本で電子書籍を売るには縦書きは必須でしょうから、 「EPUB 日本語要求仕様準拠」 という形での製品化がきっと先行するでしょう。 EPUB 2.1 が公式に策定される前に、 デファクトスタンダードが確立するのではないかと思います。
IDPF には Adobe も入っている
Adobe は、 すでに日本語組版技術を持っています。 それが EPUB 2.1 に入る可能性はゼロじゃないと思います。 コンテンツ提供者とユーザーにとっては、 はっきり言えばどちらでもかまわないでしょう。 オープンな仕様と、 それに対応したハードウェアの普及こそが大事です。 ( 日本国内のハードウェアでしか使えない 「ガラパゴス」 フォーマットでは、 海外にコンテンツを売ることはできません。  )
フォーマット変換はコストが掛かる
フォーマットが異なっていても変換プログラムを使ってコンバートするだけだからコストは掛からない、 という意見があるようです。 たしかに、 変換処理そのものはたいしたコストは掛かりません。 しかしそれは、 コンバート後に、 正しく変換できているか確認する ( 電子書籍の内容を全部読む ) 必要があることを忘れた議論です。 個人の責任で変換するのならばともかく、 商品として売るものの中身を確認しないなどということが考えられるでしょうか。
・ EPUB 日本語要求仕様以外に日本が力を入れるべきこと
EPUB 日本語要求仕様案は、 雑誌やパンフレットといったレイアウト重視の出版物には対応していません。 しかしそれは欧米でも同じ課題を抱えているわけです。 それよりも、 日本がリーダーシップを取って推進すべきは、 コミックでしょう。

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