詳説日本史研究 改訂版
池田信夫 blog より。
受験勉強のころお世話になった参考書が、 10年ぶりに改訂された。 いろいろ話題になっているが、 古代史がかなり大幅に書き換えられている:
へぇ~。 少しずつは変わってきてるんですね。
世界最大の墓の実態は、 仁徳天皇の陵なのかどうか分からない、 とか。 645年の 「大化の改新」 は存在しなかった、 とか。
何十年前の話だよ、 と思わなくもないですが。 それでも、 学習参考書にそう書かれた、 ってのは一歩前進かと。
しかし、 逆にヘンな記述が増えた部分もあるようで。
・ 「魏志倭人伝」 は存在しない: 三国志の一書である魏書に 「倭人の条」 があるだけで、 「倭人伝」 という書物はない。 その内容も後代になって書かれた伝聞や推測で、 信頼性は低い。
『「倭人伝」 という書物はない』 というのは、 そのとおり。
※ しかし、 見出しに 「倭人伝」 と書いてある版本は現存しています。
そして、 問題はココ → 『後代になって書かれた』
三国志は、 魏 ( A.D. 220~265 ) を中心とした時代のことを、 魏王朝から禅譲された西晋王朝の命によって、 陳寿 ( A.D. 233~297 ) が編纂した歴史書です。
陳寿は、 魏の時代にも生きていたんです。 さらに、 魏王朝の持っていた歴史資料を正当に受け継いだ、 西晋王朝の資料を使って史書を編纂したはずです。
昭和の歴史を、 昭和生まれの歴史学者が平成に書いたようなものなのに、 それを 「後代になって書かれた」 から 「信頼性は低い」 と言うのでは…
後漢 ( A.D. 25~220 ) のことを、 5世紀になってから范曄 ( A.D. 398~446 ) が編纂した後漢書などは、 まったく信頼するに足りないもの、 とでも言うのでしょうかね。
| 固定リンク
「古代史」カテゴリの記事
- [NEWS] 纒向遺跡で大型建物跡を発見(2009.11.11)
- [わんくま同盟 名古屋勉強会] 第6回 (2009/02/07) の資料(2009.02.09)
- (続) 詳説日本史研究 改訂版(2008.09.15)
- 詳説日本史研究 改訂版(2008.09.02)
- 真脇の巨木柱列は 「灯台」 ではなかった(2006.05.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント