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2008年4月 1日 (火)

[SEC メルマガ] アジャイルプロセスと契約

IPA / SEC ( 情報処理推進機構 / ソフトウェア・エンジニアリング・センター ) からのメールマガジン、 3/31 号が届いたので読んでいて、 ふと思いついた。 ひょっとしてこの 「SEC メルマガ」 って、 あまり知られていないんじゃ…?
ぐぐってみると、 言及してるサイトはほとんど無いみたい。

ってことで、 これから気が付いたらピックアップしていこうと思います。

今回は 2008/2/29 発行の 21号より。

アジャイルプロセスでは、 契約にあたって、 実現する機能そのものを合意するのではない。 実現する機能の総数、 期間、 実装の反復の回数、 価格を合意して契約する。

※ 「実現する機能の総数」 の 「機能」 とは、 アジャイル手法の流儀によって 「フィーチャ」 と呼ばれたり 「ストーリ」 と呼ばれたりしているものでしょう。 平均して 2~3日で作れるサイズだとか、 一週間で作れるサイズだとかの粒度です。 それよりも遥かに大きい 「機能」 を要求された時は、 複数の 「フィーチャ」 や 「ストーリ」 に分割します。

詳細な実現機能ではなく、 期間と価格をベースとして契約を結ぶことは、 他の業界では珍しいことではない。 東大 藤本隆宏教授の研究によると、 自動車メーカ (発注者) と部品メーカ (請負者) の新機種開発時の契約においては、 ( …後略 )

自動車メーカーの開発部門に 10年近く居た身としては、 よく分かる話なんですが、 この業界だけにずっと居る人たちにはどうなのかなぁ?
ともあれ、 「ソフトウェア産業は製造業に学べ!」 と声高に言う人たちには、 製造業の開発現場をちゃんと押えておいてほしいと思います。

このような日本の自動車産業の生産方式は、 米国において1990年代初めにリーン生産方式として研究され、 その考え方をソフトウェア開発方法に適応したのがアジャイルプロセスだ。 だから、 アジャイルプロセスの源流は日本にあるといっても過言ではない

※ 「日本の自動車産業の生産方式」 や 「リーン生産方式」 の 「生産方式」 には、 新型車の開発も含まれています。 文脈的には、 「開発方式」 という意味にとらえた方が良いと思います。

※ リーン生産方式における開発
大蔵省 ( 当時 ) が取りまとめた、 『「日本経済の効率性と回復策に関する研究会」 報告書』 の 「第2章 自動車:戦略重視のリーン生産方式へ」 ( PDF ) の p.27 ~ 28 より、 抜粋。

製品開発の面ではコンセプト創造・翻訳を自ら行う強力なプロジェクトリーダー (重量級プロダクト・マネジャー)、 開発段階の重複と統合 (サイマル・エンジニアリング)、 多能的技術者による少数精鋭チーム、 試作・金型・治工具製作の迅速性と品質の確保、 部品・素材メーカーの開発参加 (デザイン・イン) などが特徴として挙げられる

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