(続々) Re: GDI+ で全角ハイフンが欠落する

前の記事を書いてるときには気づかなかったんですが…
ひょっとして、 KB944975 のタイトル 「GDI+ で (…中略…) 全角ハイフンが表示されない」 に引きずられちゃって、 「常に表示されないのだ」 と思ってしまった人が少なくないのかな?
※ しつこく書いておきます。 KB944975 で言う 「全角ハイフン」 とは、 U+2010 ( Hyphen ) のことです。

問題にしている現象は何か?

GDI+ に、
"This is a hy‐phen‐at‐ed word."
という文字列を渡して、 描画させると、
"This is a hy‐phen‐at‐ed word."
という表示になります。

"これは hy‐phen‐at‐ed word です。"
という文字列を渡して、 描画させると、
"これは hyphenated word です。"
という表示になります。

・ この 2つの例の相違点は何か?
・ 同じ動作をするべきではないのか?

これに対する、 KB944975 の内容は…

・ この 2つの例の相違点は何か?
→ 全角文字列中で使用された全角ハイフン文字を 特殊な制御文字として認識します。 ( 全角文字列中でなければ、 認識しません。 )

・ 同じ動作をするべきではないのか?
→ ( 異なる動作をしますが、 それは ) 仕様です。

…となっています。 ( カッコ内は私の補足 )

なお、 ここで 「特殊な制御文字」 と言うのは、 たぶん Soft Hyphen のことなんだろうと思います。
なぜなら、 KB944975 では言及されていないのですが…

GDI+ に、
"これは hy‐phen‐at‐ed word です。"
という文字列を渡して、 描画エリアの幅を制限して描画させると、

"これは hyphen‐
ated word です。"

という表示になります。 単語の途中で折り返したところだけが表示されるという、 あたかも Soft Hyphen のような表示のされかたです。

それと、  KB944975 で 「全角文字列中」 と言っているのは、 明らかに間違っています。
半角カナを末尾に付加して、
"This is a hy‐phen‐at‐ed word. ｱ"
という文字列を渡して、 描画させると、
"This is a hyphenated word. ｱ"
という表示になります。
※ このとき、 入力しているユーザの目には、 'ｱ' を打った瞬間に、 それまでに入力しておいた '‐' が消えてしまったように見えます。