[NEWS] [アニメ・コミック規制問題] 親は心配していない?
非実在青少年などという意味不明な造語を持ち出して来てまで、 アニメ・コミックへの規制を拡大しようという都条例改正案を出してきている東京都は、 その根拠の一つとして PTA からの要望である、 というようなことも言っています。 普通の親なら、 多様性を認めたうえで、 子どもの手が届きにくいよう要望したり、 リテラシーの向上を願ったりするのが先で、 言論統制に繋がりかねない表現規制は最後の手段だと考えるだろう、 そう思っていたのですが、 都の言い分はそうじゃないんだ、 と。
はたして日本PTA全国協議会が昨年実施した 「マスメディアに関するアンケート調査 子どもとメディアに関する意識調査」 の結果はいかに!?
asahi.com: 親は心配していない? - 小原篤のアニマゲ丼
2010年5月24日
小原篤
日本PTA全国協議会の調べによると、 小中学生の親たちはマンガが子供に与える悪影響について大して心配していないし、 条例などによる規制も望んでいないことが分かりました。
「ええっ?」「まさか!」と思ったアナタは、 続きをお読み下さい。
「子どもの教育のための社会環境で、 今いちばん困っていることがあれば具体的にご記入ください」という質問に対しては、
1位「ゲームの悪影響」 6.9%、
2位「遊べる場所の少なさ」 6.2%、
3位「子どもに携帯電話を持たせることへの不安」 5.7%
という結果でした。
「雑誌・マンガやビデオの内容が子どもに与える悪影響」はなんと20位(1.0%)です。 ね、 大して心配してないでしょ?
「マンガやコミック、雑誌が子どもに影響を与えていることについて、 今後PTAとしてどのようなことに取り組んでいくべきだと思いますか」(選択式・複数回答可)に対し、
1位 「出版業界に対して、有害図書等の販売自主規制や積極的な年齢対象の表示を要望する」 47.6%、
2位 「コンビニや書店等に対して、一般の図書と有害図書を区分陳列する運動を推進する」 45.2%でした。
「有害図書等の範囲を現状よりも拡大する」は11.3%で、 「その他」をのぞけば最下位の7位です。
ちなみに、 上のグラフを見ていただきたいのですが、
3・4位はリテラシーの啓発・教育の要望、
5・6位は有害図書指定の (おそらくは個別の) 依頼をしたい・規制された図書類の情報を伝達してほしいという要望です。 で、 最下位が記事にあるように、 規制範囲の拡大。
まず棲み分けやレイティング (買う前に内容が想定できる) によって、 うっかり買わない・買い与えないようにしたいというのが最も多くて、 次いでリテラシーの向上、 そして規制の運用をもっと親のほうを向いてやってほしいという要望が続いて、 最後に規制の範囲を拡大して欲しい、 という優先順位なんでしょうね。
これに、 表現の自由は大切だよね、 という基本的人権の原則を加えたら、 都条例に反対している人たちとほとんど変わらないですよ。
※ 上の数字は、 いくつでも丸をつけてよい、 という質問に対する回答です。 ということは、 1位のゾーニング・レイティング強化にしても、 半数ちょっとは 「現状で問題無い、 わざわざ PTA が取り組むことではない」 と考えていることになります。 規制範囲拡大については、 9割近い親御さんがとくにやる必要は無いと思っているわけです。 また、 コミック・雑誌・ビデオの内容が子どもに与える悪影響も、 99% の父母が 「それよりももっと困っていることがある」 (あるいは、 特に困っていることはない) と感じていることになります。
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