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2010年4月22日 (木)

電子出版大国、 日本!

しかし、 米国が急追してきているので、 今年は抜かれるかもしれません。

えっ、 と思われたかたも居るでしょう。 アメリカでは Amazon の Kindle や、 Apple の iPad が好調で電子書籍もたくさん売れていて、 その iPad が日本にも投入される今年に、 ようやく日本の市場も立ち上がるかどうかくらいなんじゃないの、 と。
まずは、 日本の電子出版の市場規模の推移を見てください。

インプレス R&D: 【調査発表】対前年度比約131%に拡大、うちケータイが86% 電子書籍の市場規模 464億円(7/8)
2009年7月8日

日本の 2008年度の電子書籍市場規模は 464億円

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日本の 2008年度の電子書籍市場規模は 464億円と推計されます。 2007年度の 355億円と比較して 131% となり、 2006年度から 2007年度の 195% と比較すると伸びは鈍化しているものの、 順調に成長しているといえます。 2006年度以降、 市場を牽引しているのはケータイ向け電子書籍市場であり、 2008年度は 402億円と、 電子書籍市場全体の 86% を占めています。

2008年度で 464億円。 2009年度の統計はまだ出ていないようですが、 500億円は堅いと思っていいでしょう。 また、 2006年度はグラフから 182億円です。

では、 米国は?

中日新聞: 電子書籍売上高2.8倍 米、09年前年比
2010年4月8日 夕刊

 【ニューヨーク=共同】米出版社協会(AAP)が7日発表した2009年の米国での書籍売上高(推計)によると、電子書籍の売上高が前年に比べて約2・8倍の約3億1300万ドル(約290億円)に達した。

 インターネット小売り大手アマゾン・コムの電子書籍端末「キンドル」やソニーの「リーダー」の普及が急増の理由。ソニーが米国で端末を投入した06年比では、売上高が約5・8倍となった。

2009年で 290億円。 日本は 500億円くらいでした。 日本が 2倍近く大きいのです。
2006年は約6分の1ですから、 ざっと 50億円。 日本では、 180億円くらいだったわけです。 4年前は、 日本が 3倍以上大きかったのです。
2010年に米国が再び 2倍以上の成長をとげ、 日本があまり増えなかったならば、 冒頭に書いたように逆転されます。

  • 電子出版の市場は、 この数年来、 日本が世界一だった。
  • 今年は、 米国に抜かれるかもしれない。

ただし、 市場構造が違うことに注意しなければいけません。 米国では、 ほぼすべてが Kindle などの読書用端末向けと PC 向けの販売だと思われます。 対して日本では、 上記インプレス R&D の記事にあるように、 9割近くがケータイ向け配信なのです。
日本では、 ケータイに特化したケータイ小説やケータイコミックが今の電子出版大国を支えているのです。 その購買層は、 若い人たちだと思われます。
※ 『週刊ダイヤモンド』 特別レポート 「世界の電子書籍市場を支える携帯&女性向けエロ電子マンガ 本格電子書籍市場の登場で一転窮地に!」 によると、 「20代までの女性が多」 いのだそうです。

では、 今年以降、 日本ではどうなっていくのでしょう?
これは私の勝手な想像にすぎませんが、 まずは今のケータイ向け配信の担い手がファッション感覚で iPad 向けのケータイコミックに手を出し、 需要の高まりを受けてライトノベルあたりから iPad に進出する。 ただし、 iPad ではかなり厳しい Apple の 「検閲」 がありそうですから、 そこを突く形で Android 端末などが進出。 また、 縦書き表示が可能になったところで、 上の世代が新聞などを読むために手を出すようになるでしょう ( 満員電車の中で新聞を読むのが好きな人は、 周りに迷惑を掛けて申しわけないと、 きっと思っていますよ )。 その間にも、 ベンチャー的なスタンスの出版社から、 いくつか電子書籍が出されるでしょう。 このあたりまでは、 iPad を契機としたブームとして想像できます。
問題はブームになった後、 です。 使い勝手 ( DRM 絡みや、 支払い方式など ) やコンテンツの値段はどうか? 読みたいコンテンツがどれくらいあるか? 端末を常に持ち歩くメリット ( メール・Web が使えるか、 ワンセグ放送が見られるか等 ) があるか? そういった ( ブームとしてではなく ) 市場に受け入れられるための条件によっては、 携帯電話のようにものの数年で日本中に広まるかもしれないし、 あるいは逆に、 普及に何十年も掛かってしまうかもしれません。

※  電子ブックには 20年ほどの歴史があります。 それだけかかって市場規模こそ 500億円ほどになったものの、 値段に占めるハードウェアの割合が大きいので電子書籍の売り上げとしてはその10分の1も無い程度でしょう。

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