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2009年6月29日 (月)

電気自動車を無責任に煽るマスコミ。 きちんと電力会社の計画も報道すべき。

CNET Japan: 【イチから分かる】電気自動車 普及にはいくつかの壁:ニュース
2009/06/24 11:20

走行時には二酸化炭素(CO2)を排出しないため、 “究極のエコカー”とされる。 ただ、 価格の高さや走行距離の短さなど普及に向けては課題も多い。 ハイブリッド車(HV)の牙城を崩すには、 高いハードルが待ちかまえている。

そう言いながら、 CO2 削減のための最も高いハードルについては触れていません。
この記事に限らず、 日本のマスコミは、 電気自動車の普及を無責任に促す報道ばかりです。 今日 ( 2009/06/29 ) の日経朝刊の社説でも、 無責任に普及を煽っているだけでした。

もっとも高いハードル、 それは、 電力需要の増加に伴って、 各電力会社は CO2 発生量を増加させることなく ( せめて、 供給する単位電力当たりの CO2 発生量を増加させることなく ) 電力供給を増やすことが可能なのか、 また、 そのように計画されているのか、 です。

日産自動車も2010年度から量産する計画で、年5万台の生産計画を打ち出している。

電気自動車が増えれば、 電力需要も増えます。 全国で数百台程度なら微々たるものですが、 数万台・数十万台となれば目に見えて需要が増えることになるでしょう。
電力需要の増加に応えるためには、 電力会社は休止させていた火力発電所をとりあえず稼動させます。
極端な言い方をすれば、 電気自動車は石油・石炭・ LNG 等を燃やして走っていることになるのです。
そうならないためには、 電力需要増に見合う水力・原子力・太陽光・風力といった、 CO2 発生の少ない電力供給を増やさねばなりません。

そのような各電力会社の電力供給計画あるいはポテンシャルを報道せずに、 電気自動車の普及を促すような報道だけをするのは、 CO2 削減の見地からは無責任というものでありましょう。


※ 石炭発電の電気を使う電気自動車は、 普通のガソリン車よりも多くの CO2 を排出することになる、 という研究がドイツで発表されています。 ⇒ CNET Japan: 電気自動車は本当に環境に優しいのか--ドイツの研究から明らかになった課題:スペシャルレポート (2009/05/11)
石油発電は石炭よりも少ないようですが、 ハイブリッド車と比べたらどうなんでしょう?

※ なお、 将来的には化石燃料を使わない電力で電気自動車を走らせることが、 CO2 削減のために必須であると、 私は考えています。

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コメント

> 電気自動車を無責任に煽るマスコミ。 きちんと電力会社の計画も報道すべき。
この意見には大いに賛成なのですが、参照されているCNETの記事に疑問があるのでコメントさせていただきます。

この記事では、石炭を用いて発電を行った場合従来のガソリン車と比べて二酸化炭素が多く排出される可能性がある、とあります。しかし、なぜ石炭ではなく、ガソリンを用いて発電しないのでしょうか。仮に車が直接燃焼させていたガソリンを代わりに発電所が利用するだけでも、熱効率的に省エネであるように思います。

投稿: | 2009年6月29日 (月) 21時46分

コメントありがとうございます。

> なぜ石炭ではなく、ガソリンを用いて発電しないのでしょうか。

今すぐにソースを提示できないのですが、 ドイツでは発電に石油より石炭を使うほうが安上がりなのだそうです。

> 仮に車が直接燃焼させていたガソリンを代わりに発電所が利用するだけでも、熱効率的に省エネであるように思います。

たしかに、 ガソリンエンジンだけで自動車を走らせるよりは、 石油で発電して電気自動車を走らせたほうが省エネであり、 CO2 の削減になるそうです。
ただし、 石油を使った火力発電による電気自動車は、 送電・変電・バッテリーへの蓄電・放電の過程でそれぞれロスがありますから、 ハイブリッド車とは大差がなくなります。 石油を使った火力発電による電気自動車と、 新型プリウスとで、 CO2 の排出量を比べたらどうなのか… 疑問には思っているのですが、ちゃんとした推計を見つけられないでおります。

投稿: biac | 2009年6月30日 (火) 01時19分

個人的には、もう一歩踏み込んでほしいです。
CO2さえ出なければエコなのか、と。

水力発電はダム建設のために広大な敷地が必要で、河川の環境を破壊し、魚の溯上を邪魔します。
原子力発電は言わずもがな、高レベル放射性廃棄物が発生します。
CO2の地中埋蔵技術なども研究途上にあります。同じ地中に埋めるなら、CO2と核廃棄物ではどっちがマシでしょうか。
高速増殖炉もんじゅも運転再開したとかしないとか。動向を見守りたいです。

風力、波力、太陽光といった発電方法は出力にムラがあります。電気自動車が普及すれば、今以上の安定供給が求められますから、やはり火力に代表される発電は無くならないでしょう。

投稿: aetos | 2009年6月30日 (火) 12時31分

> CO2さえ出なければエコなのか、と。

そうですよねぇ。
本当の問題は、 (いまのところは) CO2 濃度ではなくて、 地球の温暖化を止められるか、 さらには、 地球を人類の (そして動植物の) 生存に適した場所のままに保っておけるか?

でも、 いろんなバランスを考えて判断するための基礎データや推計値が出てこない。 研究されてるかもしれないけど、 手が届くところには見当たらない。

先日も、 世界中に風力発電機を設置すれば、 今の世界需要の 5倍 ( だったかな? ) のエネルギーを供給出来る、 といった研究が報道されたけど… そんなにしたら、地球の大気の大循環にどんな影響があるのか?

サハラ砂漠に太陽光発電パネルを敷き詰めたとしたら、 光の反射率が変わるのだけど、 それによって宇宙空間に放熱していた熱量がどれくらい減るのか?

宇宙空間で発電してマイクロ波で地表に届けるシステムでは、 今までより地球にどれだけ多くの熱量が溜まることになるのか?

…etc.

それぞれの専門家が、 きっとそれぞれに試算してると思うんですけどね。 学会論文には書いてるのかもしれないけど、 普通の庶民に手の届くところまで出して欲しいと思っています。

投稿: biac | 2009年6月30日 (火) 23時48分

電気自動車は各国の発電元エネルギーによって効率が変わってくる点が公平な評価をしにくくしていますよね。
中国は7割、インドは5割が石炭エネルギーと言われてますからこれらの国だったら現在の時点でもガソリン車の方がCo2排出量が少ないかもしれません。

投稿: C.John | 2009年7月 1日 (水) 21時27分

コメントありがとうございます。

> 各国の発電元エネルギーによって効率が変わってくる

そのとおりですね。

さらに国の中でも、 場所によって違いますから、 さらにやっかいです。
日本国内だけでも、 2倍くらいは違うということを、 以前調べてみたことがあります。
http://bluewatersoft.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/co2_9975.html

> これらの国だったら現在の時点でもガソリン車の方が

ところがどっこい。 発展途上国では、 古い車両がきちんと整備できずにたくさん走っていると思われます。
日本で現在売られている新車の CO2 排出量と同じ感覚でいると、 間違っちゃうかもしれません。

投稿: biac | 2009年7月 1日 (水) 22時01分

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