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2009年5月16日 (土)

新型インフルエンザ、 とうとう国内でも二次感染。 でも、 対応はチグハグ。

asahi.com より。

新型インフル、 国内初の発生確認 神戸の高校生、 陽性
2009年5月16日13時10分

厚生労働省は16日、 国立感染症研究所での詳しい検査で、 神戸市内の県立高校3年生の男子が新型の豚インフルエンザに感染していることを確認した、 と発表した。 検疫を除く国内で初めての発生。 同じ高校に通う2人の高校生も、 神戸市環境保健研究所の検査で、 陽性反応が出ている。 政府は同日午後、 対策本部の幹事会を開き、 国内対策をこれまでの 「第1段階(海外発生期)」 から 「第2段階(国内発生早期)」 に切り替える予定。

厚労省によると、 3人とも渡航歴はなく、 国内で、 人から人への感染が広がっている可能性がある。

とうとう、 水際での検疫をくぐり抜けた新型インフルエンザが、 国内で二次感染したと思われる事例が出てきました。

といっても、 鳥インフルエンザとは違って、 毎年流行しているインフルエンザ並みの毒性だそうですから、 毎年インフルエンザのワクチンを接種していない約1億人ほどの日本人にとっては、 とくに心配する理由はありません
※ インフルエンザの予防接種を受けた人数の統計値が、 少し探したくらいでは見つかりませんでした。 年間のワクチン生産量や消費量のデータは多数見つかり、 2000万本前後の数字です。 が、 ワクチンの本数と接種を受けた人数は 1 対 1 ではないでしょうから、 人数は不明です。 いちおう、 ほぼ 1 対 1 だとして 2000万人くらいと推量しました。

ともあれこれによって、 第二段階 ( 国内発生早期 ~ 感染拡大期 ) に移行するわけですが、 心配なのは、 各機関の対応のチグハグさです。


◆ 発熱したら、 どこで診療してもらえるのか?

先週、 ニュースになっていました。 YOMIURI ONLINE より。

診察拒否で苦情・相談、 都に212件 … 改善を文書で通知
(2009年5月8日06時39分  読売新聞)

新型インフルエンザの感染の可能性が低い発熱患者が医療機関から診察を拒否された問題で、 東京都に寄せられた苦情・相談が7日までに、 少なくとも計212件に上っていることがわかった。
(…中略…)
「熱が出たので医療機関に診察を申し込んだら、 海外に行っていないのに断られ、 都の発熱相談センターを紹介された」 といった内容が中心。

第二段階では、 海外に行っていなくても感染している可能性がある、 ということで、 インフルエンザの症状が無くても診察拒否されることが増えるのではないかと危惧されます。

また、 発熱相談センターに電話などで相談した結果、 新型インフルエンザのおそれがあるとなった場合は、 発熱外来を紹介してもらってそちらに行くことになります。
※ 全国の発熱相談センターのリスト ⇒ http://hatsunetsu.info/

しかし、 この発熱外来のキャパシティが十分ではないのではという不安があります。
実際、 発熱患者が直接来院されても対応しきれないという判断からなのでしょう、 発熱外来を設けている病院がどこなのか、 あまり公表されていません。

また、 インフルエンザ対策に携わる専門家からも、 発熱外来では対応しきれないという意見が出ています。
毎日jp より。

新型インフルエンザ : 初の国内感染 予防の基本徹底を 人込み避け、 手洗い
毎日新聞 2009年5月16日 東京夕刊

西村秀一・国立病院機構仙台医療センターウイルスセンター長は 「現状の発熱外来は、 主に海外からの帰国者への対応などにあたっている。 国内で発熱を訴える患者すべてには対応できない。 今後国内の患者が増えた場合に備え、 各地域でも十分な話し合いを進めることが必要だ」 と話す。

発熱したらどこで診察をうけられるのか? ましてや、 新型インフルエンザに掛かったとしたら、 どこで診療してもらえるのか?
これでは、 不安にならざるをえません。

◆ 高熱が出て、 出歩けない状態になったらどうなるのか?

往診してもらえるお医者さんがいる家や、 家族の自家用車で病院まで連れて行ってもらえるならよいのですが。 そうではなくて、 もともと外出がままならない人や、 一人暮らしの人などは、 どうなるのでしょう。

さいわい今回の新型インフルエンザも、 タミフルなどの既存のインフルエンザ用の治療薬が有効だそうですから、 電話などの問診でインフルエンザであろうと診断されたときに、 タミフルなどを入手できれば自宅で治療することも可能なのですが…

現状では、 そのようなことは望み薄のようです。
そういったケースで何人も死者が出てからでないと、 改善されないかもしれないですね。

世界的には、 自宅に居ながらにして医薬品が入手できるのは、 あたりまえのようなのですが。
※ 次に引用するニュース記事は、 なぜか Web 上には出ていないようなので、 新聞からの手写しです。

日本経済新聞 2009年 5月 13日 朝刊 34面より

「世界的流行、 数年続く」 WHO の現場統括・進藤氏

「これだけ伝播する力があれば、 (空港などの) 水際で食いとめることには限界がある。 すでに日本国内に入り込んだ可能性もあり、 今後は医療体制の整備が重要。 感染者が病院で他の患者と接触して感染が広がることを避けるため、 電話で相談を受け付け、 自宅にタミフルなどのインフルエンザ治療薬を郵送することも検討すべきだ。」

この進藤奈邦子氏は、 ジュネーブで WHO の新型インフルエンザ対策の現場部門を統括されている人だそうです。 この人の感覚では、 自宅に薬を郵送してもらうことはあたりまえ、 少なくとも、 政府レベルでやる気になれば可能だ、 ということですよね。

同様な懸念は日本の関係省庁も抱いているらしく、 「新型インフルエンザ対策ガイドライン」 (新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議 平成 21年 2月17日) には、 第三段階 (蔓延期) であることなど幾つかの条件を付けながらも、 「医師が電話による診療により新型インフルエンザの症状の確認ができた場合、 ファクシミリ等による抗インフルエンザウイルス薬等の処方せんの発行を」  行う、 といった文言が何箇所も出てきます。

また、 この 「ガイドライン」 が策定される前にも、 電話診察で処方できるようにするという方針が報道されていました。 NIKKEI NET より。

新型インフル時、学校閉鎖は都道府県単位で 厚労省検討
[2008年11月19日/日本経済新聞 朝刊]

インフルエンザ治療薬 「タミフル」 については医師による電話診察で処方できるようにする方針だ。

「ガイドライン」 では、 いろいろと条件が付けられていて、 めったに病院に行くことがない人が電話だけで処方してもらえるかはよくわかりません。 実際のところは、 感染が拡大するにつれて、 明らかになっていくでしょう。

さて、 処方箋を出してもらえたとして、 タミフルなどのインフルエンザ治療薬が実際に買えるのか?
本人が出歩けなくても、 家族がいれば薬局で買ってきてもらえます。 「薬の販売は対面販売が原則」 と言っても、 服用する本人以外には売らないという話は聞いたことがありませんからね。
※ そもそも、 本人が出歩けたとしても、 新型インフルエンザ患者が街中の薬局に出向くことは、 感染を広げる可能性からすると、 望ましくないです。

一人暮らしで出歩けないとなると、 問題です。
通信販売は禁止 ( 2009年 6月 1日より ) ですから、 電話だろうと FAX だろうとインターネットだろうと、 処方箋が出ていることを薬局に伝えても、 インフルエンザ治療薬を送ってもらうことはできません。

NPO法人日本オンラインドラッグ協会

たとえば万一、 新型インフルエンザが国内にも持ち込まれ、 あなたが近所の薬局やドラッグストアに行くのを控えようと思ったとします。 ネットでは必要な医薬品が販売されている。 でも、 あなたはネットで買うことはできません。

ということは、 本人が出歩けないとなると、 薬剤師がその人の家を訪ねて対面販売するしかありません。 ほんとうにそんなことが可能なのか、 全国の薬局がそんな対応を取ってくれるのでしょうか?

同じ厚生労働省の中で、 新型インフルエンザ対策に取り組んでいるところは、 直接診察できない状況でもインフルエンザ治療薬の処方箋を出せるようにという方向に動き、 別のところでは、 対面販売以外では薬は売らせないようにと動く。

このチグハグさは、 いったいなんなんでしょう。

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実質、パンデミックなんだろうな。 明日からの満員電車でまたどうなるか。。。 [続きを読む]

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