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2008年3月 1日 (土)

家電の CO2 排出量が一目でわかる!?

またそういう非科学的なことを… (--;

NIKKEI NET(日経ネット):家電に二酸化炭素排出量表示、温暖化対策推進法改正案
08:45

あなたの家にある家電の二酸化炭素(CO2)排出量が一目でわかります――。

(2/29)家電に二酸化炭素排出量表示、温暖化対策推進法改正案-ニュース:日経Ecolomy

エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの家電製品は家庭から出る温暖化ガスの主な原因。 こうした家電製品の操作パネルなどに温暖化ガスの排出量が数値で表されるようにする。 例えば冷房を一時間使うと 「CO2が26グラム排出しました」 などと表示される見通し。

自己の消費電力をリアルタイムで表示する家電なら、 たしかに実現可能。
しかし、 消費電力から CO2 排出量に換算するのは、 家電単体では不可能。
それとも、 電力各社が、 CO2 排出量換算値を、 リアルタイムで電力線に乗せてくれるようになるとでも言うのかしらん?

この話、 他のニュースサイトも見てみると、 あながち日経のガセネタとも言い切れない感じです。

中日新聞: 国が排出量の目標値設定 温暖化対策法の改正案:社会(CHUNICHI Web)
2008年2月29日 14時07分

改正案では、 国民が日常生活で利用するサービスや製品の製造、 販売などにあたって 「事業者は利用に伴う温室効果ガス排出量がより少ないものの製造等を行い、 利用に伴う排出に関する正確かつ適切な情報提供を行うよう努めなければならない」 と規定。

時事ドットコム: 「望ましい水準」提示へ=温室ガス排出、業種別に-環境省
2008/02/29-15:44

指針では家庭への波及効果がある取り組みも要請。 例えば、 使用時にCO2排出量が表示される家電の開発・販売といった 「見える化」 推進などを想定する。

排出量目標設定 コンビニやファミレスに義務も 温暖化対策法 - MSN産経ニュース
2008.2.29 17:43

家電製品などを念頭に企業に省エネ製品の製造と製品利用時の排出に関する情報提供の充実を努力義務とし

FujiSankei Business i. 総合/排出量、国が目標設定 温暖化対策推進法改正案 企業名公表は断念
2008/3/1

改正案では、 国民が日常生活で利用するサービスや製品の製造、 販売などにあたって 「事業者は利用に伴う温室効果ガス排出量がより少ないものの製造等を行い、 利用に伴う排出に関する正確かつ適切な情報提供を行うよう努めなければならない」 と規定。

しかし、 発電するために排出した CO2 の量は、 場所と時刻によって大きく変動するのです。 そんな情報に対して、 製造業者が正確性に責任を負えるわけがありません。

大きなところでは、 電力会社間の違いがあります。 2006年度の電力各社の発電量当たりの CO2 排出量を見ると、 最大で 2倍近い差があります。
例えば東京電力を使っている家庭で 「26グラム排出されました」 と表示されるのと同じ電力を使っても、 中国電力を使っているところでは 「47グラム排出されました」 と表示されねばなりません。
そして、 同じ電力会社でも設備の稼動状況によって変わってきます。 たとえば東京電力では、 昨年から柏崎原発が止まっていますから、 現在は 2006年度の値とは大きく異なっているはずです。 また、 同じ電力会社でも、 その中の地域によって配電系統が違ったりすることがあるかもしれません。

また、 季節や時間帯による変動があります。 電力消費の多い季節や時間帯には、 火力発電を増やして対応することが多いようですが、 それはすなわち、 同じ量の電力を使っていても、 その時間帯には CO2 を多く出しているということになります。

さらに、 自然エネルギー発電 ( 太陽光発電や風力発電など ) コジェネレーションシステム ( とくに燃料電池 ) を導入している家庭もあります。
たとえば我が家では、 夏の晴れた昼頃であれば、 エアコンを使っていても太陽光発電でまかなえていますので、 その時には 「0グラム排出されました」 と表示してもらわねば困ります。

もっと細かいことを言えば、 家庭で消費する 1kwh は、 発電所が送り出す 1kwh ではありません。 発電所の側では、 それよりも多く送り出しています。 送電経路での損失があるからです。 最終段にあたる変電所から家庭までの電線での損失は、 ほぼ電線の長さに比例しますから、 この送電経路での損失分は、うるさく言えば家ごとに異なるわけです。

このように時刻と場所によって変動する情報を、 ( 情報提供のバックボーン無しで ) 正確に家電に表示することができるはずだ、 という非科学的な発想はどこからどうやって出てくるんでしょうねぇ?

なお、 不正確な値であっても目安になればいいのだ、 という考え方もあるでしょうけど。 それなら、 消費電力の表示だけで十分に目安になるでしょう。
※ 目安レベルの話なら、 まず、 電気代の請求書 / 領収書を見ましょう。 そこに書かれている消費電力の半分が、 だいたいの CO2 排出量になります。  たとえば、 一ヶ月の消費電力量が 400kwh だったら、 その半分で 200kg くらいの CO2 を出したことになります。 ( くどいようですが、 まさに目安です。 倍くらいの誤差がありえます。 )



ちなみに、 この話は、 家電製品のライフサイクル全体でどのくらいの CO2 を排出することになるのか、 ( 購入前に ) 店頭で概算値を提供しようというものだったのでは?

CO2: 排出量表示の家電システム、 環境省が予算要求 - 毎日jp(毎日新聞)
毎日新聞 2007年8月31日 東京朝刊

計画は冷蔵庫やエアコン、 照明器具などの家電製品が対象。 製造から使用、 廃棄までにどの程度 CO2 を排出するかを店頭で表示するシステムを来年度中に開発する。

読売ADリポート ojo:adv.yomiuri
2008.1・2/vol.10-No.10・11
環境問題の 「見える化」

CO2 を可視化する
環境省 地球環境局地球温暖化対策課
国民生活対策室 国民生活企画係長
林 俊宏 氏

家電等の CO2 排出量を可視化

―― 家電等の CO2 排出削減量が店頭や携帯電話でわかるシステムの開発を進めているということですが。

 省エネ型の家電への買い換えを促進するために、 もう一歩進めて、 売り場でその家電の CO2 排出量がわかるようにしようという計画です。 家電の省エネ表示には省エネルギーセンターの 「省エネラベル」 が既にあります。 その製品の年間消費電力量などが表示されていて店頭の製品同士の比較には非常に効果があるのですが、 消費者が今使っている製品を買い換えた時に、 どのくらい CO2 が削減されるのかまではわからない。 この部分を環境省でやりましょうということなんです。 白物家電の買い換え時の平均使用年数はおおむね9~11年であり、 古い製品のデータをどうするかなど家電業界の協力をお願いしたり、 検討すべき課題はまだ残っています。

―― 製造工程と廃棄の時の CO2 排出量もわかるようにすると聞いていますが。

 使用時の排出量だけでリサイクルの排出量を考えないのでは、 本当の意味で CO2 削減にはならないということなんです。
 昨年6月、 街頭でアンケート調査を行ったのですが、 「省エネ製品の買い換えをどう思うか」 の質問に6割が 「まだ使えるのにもったいない」 と答えているんです。 やはり、 ものを大事にするという日本人が昔から持っている良き価値観があるんですね。 そういう意味でもリサイクルは大事で、 今ある製品の再資源化率をきちんと伝えないといけないと思っています。 エアコンや TV などの製品は、 その約8割程度はリサイクルされているんですね。 我々がやる CO2 排出量の換算の中にも、 その基本的な考え方は出せる範囲で入れるべきではないかと考えています。

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